茨城県稲敷郡阿見町 印南クリニック  /診療科目: 内科・循環器科,呼吸器科,外科,小児科,各種予防接種 /相談科目: 禁煙相談,AGA

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小児科

子供の病気について

子供の病気について

赤ちゃんや小さな子供はお腹が痛くてもその事を的確に伝える事が出来ません。ちょっとした様子の違いや反応から、大人が察してあげるしかないのです。でも、知識と経験がなければ、うまく対処する事が出来ません。場合によっては手遅れになるかもしれません。
そうならないためにも、両親は子供の病気に関して、関心を持つよう心がけたいものです。

日常診療でよくみる病気をできるだけわかりやすく解説してみました。代表的な疾患のみを取り上げてあります。

インフルエンザ

38度以上の発熱からはじまり、やや遅れて鼻みずやせきなとのかぜ症状がおきます。おとなではふとももや背中などの痛みがおきることが多いですが、小児ではあまりみられません。感染力が強く、例年12月から3月の間に流行がみられます。抗インフルエンザ薬によって症状を軽くすますことができますが、健康な小児であれば3日から5日ほどで解熱しますので過度な心配はいりません。ですが、心臓や呼吸器の病気や悪性腫瘍で治療中の子供さんの場合は重症となることがありますので、かならず主治医にご相談ください。

はしか(麻疹)

鼻みずやせきなどのかぜ症状からはじまり、3日から5日ほど39度以上の高熱がでます。その後は熱がいったん下がりますが、再び39度以上の発熱とともに、赤い発疹が全身に広がります。頬の内側の奥に小さな白い斑点(コプリック班)ができます。運動まひなどの後遺症を残すことも多く、肺炎により死亡することもまれではありません。伝染力が強く、発病率も高いため、ときどき流行がみられます。

ふうしん(風疹)

鼻みずやせきなどのかぜ症状からはじまり、38度前後の発熱とともに、ピンク色の発疹が全身に広がります。はしかに比べて、発疹は小さく色もうすいのが特徴です。首のリンパ節が腫れるのも特徴の一つです。軽症の病気ですが、妊娠初期にかかると、流産したり内臓の異常をもつ赤ちゃんが生まれる危険があります。

みずぼうそう(水痘)

発熱は出ないか、出ても38度までです。胸、背中、おなかに小さな赤い発疹があらわれ、全身に広がります。半日程度で、みずぶくれとなり、数日でかさぶたとなり、乾いて治ります。伝染力が強く、発病率も高いため、しばしば流行がみられます。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌によるのどの感染症です。のどが腫れて痛み、39度以上の高熱が出ます。首のリンパ節が腫れることもあります。治って1週から2週後に、突然血尿やむくみがでたり(腎炎)、関節が痛んだり(リウマチ熱)する合併症をおこすこともあります。小児では感染しても、長く発病しないこともあります。

百日咳

百日咳菌による気道の感染症です。かぜ症状が2週間続いたのち、特徴ある咳発作がみられるようになります。短い咳が連続的に起こり(痙咳)、続いて息を吸う時に笛の音のような音が出ます(笛声)。発熱は出ないか、37度前後です。生後6カ月未満の乳児では特徴的な咳発作がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止へと進展することがあります。

手足口病

夏かぜの一つです。発熱は出ないか、37度前後です。手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれができます。手のひら、足の裏の水ぶくれは硬く破れにくいのが特徴です。口の中の水ぶくれは破れてかいようになります。

りんご病(伝染性紅班)

3歳くらいから成人までの広い年齢にみられます。発熱は出ないか、37度前後です。両頬に赤い発疹があらわれ互いにくっついて、手でたたかれた跡のようになります。腕や太ももなどにも赤い発疹があらわれます。軽症の病気ですが、妊娠中のお母さんがかかると、流産することがあります。

突発性発疹

生後6ヶ月から1歳までの赤ちゃんに多く、この病気による発熱が生まれてはじめての発熱となることが多いようです。突然39度前後の発熱が4日ほど続いて、熱が下がると同時に顔、胸、お腹などに発疹があらわれます。

ヘルパンギーナ

夏かぜの一つです。急に39度前後の高熱がでて、のどの奥やのどちんこのまわりに小さな水庖ができます。水庖は3日ほどでつぶれて潰瘍になります。

ヘルペス性口内炎

急に39度前後の高熱がでて、口の中が赤くはれあがり、痛みのため食事が困難になります。唇の周囲にも水庖ができることがあります。

嘔吐下痢症

感染性胃腸炎ともいいます。ロタウイルスやノロウイルスなどのウイルスによる胃腸炎です。突然の嘔吐と同時にもしくは少し遅れて下痢が始まります。発熱はみられないか、あっても38度前後です。嘔吐止めを使用し嘔吐が止まるのを待ちます。吐き気が止まり、飲めそうになったらスプーンで小量ずつ、アクアライト、OS-1などの経口補水液、みそ汁やリンゴジュースなどを与えます。吐き続けたり、下痢がひどい場合には点滴が必要となります。

予防接種について

予防接種について

平成6年10月に予防接種に関する法律が改正されました。変更のポイントは予防接種が「親の義務」から「親の判断」になったこと、集団接種でなくかかりつけ医による個別接種となったことの2点です。
問診票に基づいて、子供の体質やその日の体調を判断し、予防接種を受けても大丈夫かどうかを判断し、保護者の同意を得て実施することとなったわけです。ワクチンの改良などにより、予防接種の副反応が減ったとはいえ、まれではありますが重篤な副反応がみられる子供さんもいらしゃいますので、予防接種のてびきをよく読み、問診票はよく注意して書いてください。


予防接種はどこで受けても同じではありません。子供さんのことをよく知っているかかりつけ医で受けるのがベストです。 
お母さんが風邪などを診てもらうついでに受けることなどのないようにしたいものです。お母さんが風邪をひいてしまったようなときには、子供さんにもうつっているかもしれません。同様に兄弟が風邪をひいているような時には、慎重にしてください。


予防接種の種類

予防接種の種類

予防接種には、不活化ワクチン(四種混合・ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチン・三種混合・日本脳炎・インフルエンザ・B型肝炎)と生ワクチン(BCG・はしか・ふうしん・おたふくかぜ・みずぼうそう・ロタワクチン)の2種類があります。 


【4種混合ワクチン】

このワクチンは、ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの4種類のワクチンをまとめて受けるものです。生後2ヶ月から受けられます。1期初回として20日以上の間隔で3回、その1年後に1回、計4回接種します。接種部位に小さなしこりが1~2ヶ月残りますが自然になくなりますので心配いりません。

【BCG】

生後5ヶ月目から受けられます。1歳未満が補助の対象です。結核も減ったとはいえ、なくなったわけではありませんので早めに受けてください。接種後数日たって膿をもったかさぶたができることがありますが、心配はいりません。出血したり痛がったりするときは、念のため医師の診察を受けてください。

【ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン 】

生後2ヶ月から接種できます。予診票の使用可能期間は5歳未満です。

【麻疹風疹ワクチン】

麻疹風疹ワクチンは1歳になると受けられます。麻疹にかかると半分位は入院治療が必要となりますですので、早めに受けておきたいものです。接種後7日から10日目にかけて少数の発疹がでることがありますが、通常3日以内に消えますので心配はいりません。1期は、1歳から2歳未満。2期は5歳から7歳未満の小学校入学前の1年間です。

【B型肝炎ワクチン】

B型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎となりそのまま回復する場合もあれば、慢性肝炎となる場合もあります。一部劇症肝炎となって激しい症状から死に至ることもあります。また、ウイルスが肝臓内部に潜み年月を経て慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどになることがあります。小児の場合は、肝炎の予防というよりウイルスの持続感染を防ぎ、将来発生するかもしれない慢性肝炎・肝硬変・肝がんを防ごうとすることが最大の目的です。

接種期間は、生後2か月から9か月に至るまで 

【日本脳炎ワクチン】

3歳になると受けられます。1週間間隔で2回、その1年後に1回、計3回接種します。日本脳炎は夏に流行する疾患ですので、この予防接種はその前の6月までに受けておくことが大切です。

予防接種の注意点

37度6分以上あったら受けられません

予防接種は37.6度以上の熱があると受けられません。体の動きが激しいときや、食後1時間以内には、0.2ないし0.3度程度の体温上昇がみられますので、体温測定を避けてください。

家庭での対応

よく見られる症状を取り上げて、家庭での対応についてまとめてみます。いろいろな考え方がありますので、一般的にはこう考えられているととらえて下さい。

【熱がでたら】

【熱がでたら】

熱が高いときは、はく息や汗からも水分が失われます。飲ませる物は、湯ざまし・番茶などでもかまいませんが、子供用のイオン飲料など、塩分や糖分を適度に含んだ飲料がより望ましいと思われます。着せる物は季節や室温により違いますが、同じ部屋にいる大人と同じか1枚少ないくらいの薄着がちょうどです。夏でしたらクーラーを使って、室温を25度前後にして上げましょう。もちろん直接風をあててはいけません。 次のような時には急いで医療機関を受診して下さい。

  1. 名前を呼んだり、頬を軽くたたいても、眼を開けたり手足を動かさない。
  2. くりかえしておうと(嘔吐)する。
  3. 呼吸が速くて、鼻をピクピクさせ、苦しそうに息をする。

【げり(下痢)・おうと(嘔吐)】

下痢・嘔吐によって失われた水分と電解質を補うためにつくられた飲み物を経口補水液(ORS)といいます。アクアライト、OS-1などの名前で市販されています。嘔吐がおさまったら、哺乳瓶やスプーンで小量ずつ、与えます。下痢が治まってきたら、みそ汁やリンゴジュースなどを一緒に与えても良いでしょう。乳製品、冷たいもの、油もの、糖分の多いもの、生野菜など繊維の多いものは避けてください。栄養は控え目でも早く下痢をなおすようにしましょう。しかし、いくら上手にやっても、嘔吐がおさまらない場合もあります。そのような時は、点滴が必要ですので、医療機関を受診して下さい。

【鼻水・鼻づまり】

鼻水はスポイトや専用の器具などで吸い取ったり、綿棒で鼻を掃除してあげましょう。しかし、強すぎると粘膜を傷つけますので気をつけてください。赤ちゃんはいやがりますが、おかあさんが口で吸い取って上げる方法はなかなか効果的です。お風呂は熱が高くなければ入れて上げましょう。鼻の血液の流れをよくして腫れをひかせる効果と、湯気が湿り気を与えてくれる効果が期待できます。

【皮膚のかゆみ】

アトピー性皮膚炎・皮脂欠乏性皮膚炎・皮膚掻痒症などの一般的なの注意点は次の様なことです。

  1. 発汗後はできるだけ早く汗を洗い流し、皮膚を清潔に保つ。
  2. 石鹸は低刺激性のものを使用する。
  3. ナイロンのタオルやスポンジは使用せず、手のひらや肌ざわりの柔らかいタオルで洗う。
  4. お湯はぬるめにし、長湯はしない。
  5. 入浴直後に保湿剤入りのローションやクリームを使い、皮膚の水分を保つ。
  6. 直接肌につける下着や衣類は木綿にする。

【口内炎】

水分が十分とれていれば、むりして固形物をとらなくても大丈夫です。目安として、おしっこの回数が1日で4~5回あれば水分はまあまあとれていると判断してください。それ以下の場合は、血管内への点滴による水分補給が必要です。

【ひきつけ】

とにかく、あわてず、冷静に対応することです。一度おこしたことがある場合は予防対策などを、かかりつけの先生によく相談しておくことが大切です。はじめての場合は、しかたありませんが、二度目以降は備えあれば憂いなしです。

【せき(咳)】

咳には、たんのからむ咳と、からまない咳があります。どちらのタイプの咳かによって対処法が違います。医療機関を受診する際は、咳の状態を良く説明できる方がついて行くことが大切です。 咳以外の症状がなければ、入浴はのどに適度の湿り気を与え、たんをさらさらにしてくれるなどの効果が期待できますので、入れて上げましょう。